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マネー 介護保険を利用する これだけは知っておこう

平均寿命が延び、高齢化がすすむ中、介護保険が注目されています。
今回は介護保険の保障金額と自己負担額について、例を交えてご紹介します。

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介護保険は強制加入の公的社会保険制度です。
保険料は40歳以上の人すべてが納付し、制度自体の運営は市町村が行います。
実際に介護保険制度を利用して介護サービスを受ける場合、利用者は直接介護事業者と契約をしてサービスを選択します。費用は原則、実際にかかった費用の1割を自己負担、9割を介護保険制度から拠出するという仕組みです。
健康保険の窓口3割負担と同じですね。なんともありがたい制度です。

ただし、超えた分は自己負担です。
「超えた分」とは、介護保険制度が保障してくれる金額には上限が設定されているということです。
また、要介護の度合いによって、支給限度額は変わります。下の表をご覧ください。

要介護度 1ヶ月あたりの支給限度額(うち自己負担金)
要支援1 49,700円(4,970円)
要支援2 104,000円(10,400円)
要介護1 165,800円(16,580円)
要介護2 194,800円(19,480円)
要介護3 267,500円(26,750円)
要介護4 306,000円(30,600円)
要介護5 358,300円(35,830円)

例えば要介護1で、実際にかかった介護費用が1ヶ月で20万円としましょう。
表より、165,800円分を超えたサービスは全額自己負担という仕組みです。計算してみると・・・
上限である、165,800円までは1割負担の16,580円
そして、165,800円分を超えたサービスは全額自己負担なので
超えた分=200,000円−165,800円=34,200円
1ヶ月あたり実質自己負担金額は 16,580円+34,200円=50,780円

この他に食費、調理費、光熱費など、そもそも介護保険制度の対象外となる費用も必要となります。

案外かかりますね。

では実際のところはどうでしょう・・・
注意!)以降はあくまでも一例です。介護事業者ごとにサービスの内容・料金は異なりますのであらかじめご了承ください。


要支援1:週2回ヘルプサービスで月2,800円負担

週1回ホームヘルプサービスを受けることにしました。
ヘルパーさんに来てもらい、買物や洗濯、掃除などの生活支援のサービスを受けるのです。
週1回、1回90分までのサービスで、1回のサービス費用は自己負担金で350円。
週1回で1ヶ月利用すると、月1,400円。週2回とすると、2,800円の自己負担となります。

要介護1:週2回デイサービス利用で月12,000円

週2回デイサービス(通所介護)を受けることにしました。
このデイサービスは、施設で食事や入浴などの日常生活の支援や機能訓練などを日帰りで受けられるものです。

デイサービスを1回につき6時間から8時間受けた場合、サービス費用は8,000円程度で、自己負担分は800円程度になります。また、食事やおやつ、リクリエーションなどで利用する消耗品などは全額自己負担になり、これらは内容にもよりますが、だいたい700円程度。あわせて1日1,500円の負担となります。
週2回で1ヶ月利用したとすると、月12,000円の自己負担ということになります。

要介護4:訪問入浴・看護・介護など受けて月約3万円

在宅で利用できるサービスを受けることにしました。
まずは、週2回、訪問入浴介護を受けることにしました。浴槽なども持ち込んでの入浴です。
費用は13,000円程度で自己負担は1,300円です。週2回、月8回利用するとして、月10,400円の自己負担です。

また、訪問看護も受けることにしました。訪問看護とは、看護師が家庭に訪問し、血圧測定、服薬管理、状態観察などをしてくれるものです。費用は5,000円程度。自己負担は500円です。週1回とすると、月に2,000円程度の負担となります。

他に、おむつ交換などの訪問介護を受けることにしました。こちらは、1回30分、1日3回の利用です。
1回あたりのサービス料は自己負担分で250円程度。1日3回で750円の負担となります。
訪問看護や入浴介護を受ける日は、1日2回の利用として負担額は500円。1日3回利用を週4日、
2回利用を週に3日とすれば、1か月で18,000円程度の負担となります。

合計すると、訪問入浴介護を週2回、訪問看護を週1回、訪問介護を1日2〜3回を受け、自己負担の総額は30,400円となります。

いかがですか?
当初の想像よりは、何とかなりそうな気がしませんか?
介護は心身ともに、家族の負担が想像以上に大きいものです。
少しだけでも「ホッとできる時間」が持てるよう、うまく利用したいですね。

最後に、重要ポイントをひとつ

40歳以上65歳未満の人は、脳卒中、初老期における認知症、関節リウマチ、末期ガンなどに起因する介護状態になった場合に、要介護認定が受けられます。よって、ケガなどを起因としている場合は、介護保険の給付対象になりませんので注意しましょう。

情報提供
三重ライフデザインセンター 主任研究員
MoneyPlan119
立松 真美
E-mail:moneyplan119@office.nifty.jp
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