1)生命保険料控除
生命保険料控除はあまりにも有名なので詳細は、説明しませんが、
一般の保険料控除以外に
個人年金保険料控除というのがあるのを御存知でしょうか?
一般の保険料控除は、大体めいっぱい活用されておられる場合が多いようです。
一般の保険料控除は10万円超の掛け金で5万円の所得控除がうけられます。個人年金保険料控除も同様なのですが、この個人年金保険の加入者は、全世帯の約3割といわれていますからそんなに多くないのです。是非、今回は、個人年金保険に対する所得控除の考え方を理解していただければ幸いです。
個人年金保険に対する所得控除で、どのくらい税金が抑えられるかというと、
- 月々1万円、年間12万円の個人年金保険に加入した場合
税額控除は5万円になります。
所得税率が10%の場合 50,000円×10%=5,000円の税金分を得したことになります。
もちろん所得税率が20%の場合10,000円の税金分を得した計算になります。
ここでよく考えていただきたいのですが、これは、見方によりますが5,000円以上の金利が付いたと考えてもいいのでは、と思いませんか??(貯蓄性のある)他の金融商品で、通常わずかな金利でも源泉徴収されるのに、この金融商品は、加入することで、こんなメリットがある商品なのです。ただし、いわば長期にわたる貯金なので、御自分の支払能力を考えること。それから控除の対象には条件がありますので、金融機関や税務署などで事前によく確認してください。
2)損害保険料控除
来年から、損害保険料控除は、大きく変わります。今までの掛捨ての火災保険や傷害保険は、控除の対象とならず、地震保険の損害保険料控除枠が50,000円まで(従来は15,000円まで)に拡大します。
A 現状の損害保険料控除(平成18年1月1日現在)
自己または自己と同一生計の親族の有する住宅・家財の損害またはこれらの者の
身体の傷害・入院医療費の支払等に基因して保険金等が支払われる損害保険契約等
について支払った保険料に適用されます。
控除額は以下のとおり
- 以下の2の契約以外の場合
保険料 |
控除額 |
2000円以下 |
支払保険料の全額 |
2000円超 4000円以下 |
支払保険料×2分の1+1000円 |
4000円超 |
一律3000円 |
- 保険(共済)期間の満了後満期返戻金を支払う旨の
特約のある契約等で、その期間が10年以上のものの場合
保険料 |
控除額 |
1万円以下 |
支払保険料の全額 |
1万円超 2万円以下 |
支払保険料×2分の1+5000円 |
2万円超 |
一律15000円 |
- 上記1と2の契約がある場合
その年中の損害保険料について、1または2に準じて計算した金額の合計額
(ただし、最高15000円を限度とする)
つまり、住居の火災保険や身体にかかわる傷害保険等の保険料を控除の対象とし掛捨保険料と積立(保険期間10年以上)保険料を区分して3つの方法で控除額を算出します。現状は、控除される損害保険の種類は新制度より多いが、控除額は少ないという特徴があります。
B 平成19年からの損害保険料控除の改正(案)
平成18年度税制改正の要綱(抜粋) H18年1月17日 閣議決定
地震保険料控除制度の創設
損害保険料控除を改組し、次の通り地震保険料控除を創設する。
- 居住者の有する居住用家屋・生活用動産を保険又は共済の目的とし、かつ、地震等を原因とする火災等による損害に起因して保険金又は共済金が支払われる地震保険契約に係る地震等相当部分の保険料又は掛金(以下「保険料等」という。)の全額をその年分の総所得金額等から控除する(最高5万円)
- 経過措置として、平成18年12月31日までに締結した長期損害保険契約等(上記(1)の適用を受ける保険料等に係るものを除く。)に係る保険料等については、従前の損害保険料控除を適用する(最高1万5千円)
- 上記(1)と(2)を適用する場合には合わせて最高5万円とする。
個人的に思うことですが、政府としては、老後の備えと、災害時の備えに対して、今後も所得税優遇政策を続けていくのではないかと思います。特に老後の備えに関しては、少子高齢社会が続く以上、この税制を変更することはないだろうと考えます。
皆さんも、確定申告などの機会に、自分の所得税を見直されてはいかがでしょうか?