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マネー 医療保険を見極める方法(第ニ回)
前回は、医療保険の必要保障額について皆さんと一緒に考えてみました。
さて今回は、必要保障額を踏まえて、具体的に『どのようにして医療保険に加入するのが良いのか』を考えてみたいと思います。
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保険料(掛け金)の支払い方

  1. 終身払いか60歳払い済みか
    いま、安いといわれている医療保険で、大体、入院日額5,000円の保障で、月々の保険料が年齢×100円(例えば、33歳の方であれば3300円くらいです。)このくらいの負担であれば、20、30代あるいは40代の前半の方は、定年を考えて60歳まで払い済みをお勧めします。40代後半からは、60歳払い済みにされると、結構な保険料負担になってきますので、余裕がなければ、終身払いでもいいのではないかと思います。
  2. 10年更新か終身補償か
    保険に加入しやすくするために、若いうちは保険料を安く、年をとってから給料も上がるので保険料を高くというのが10年更新型の医療保険です。現役の間はまだいいのですが、60代、70歳になってこそ医療保険が必要になることが多いですから、10年更新型の保険料はこの頃に最も保険料が高くなっています。できるだけ、最初から終身補償で60歳払い済みか、終身払いを是非お勧めいたします。
  3. 積み立て型掛け捨て型か
    10年たつとボーナスがかえってくるという医療保険がありますが、もともと医療保険は、掛け捨てをベースに設計されているものが多いので、あえて積み立て型やボーナスがかえってくる医療保険に入る必要は無いのではないかと思います。

1回の入院限度日数に注意

今医療保険の高い安いは、保険料の支払い方でも違ってくる話をしましたが、それに加えて1回の入院限度日数の長さによって保険料は大きく違ってきます。60日型、120日型、180日型、360日型、720日型、1000日型、というのが大方だと思います。また、通算限度日数(保険期間のうちのすべての入院の期間の合計日数)は、360日型、720日型、1000日型というのが多いようです。
では、どれを選べば、というのが難しいところですが、人の一生の入院平均日数が120日くらいといわれていますので、どうでしょう、1回の入院限度日数180日、通算限度日数720日くらいが妥当なところではないでしょうか?

最大の注意すべく点
1回の入院限度日数ですが、これについてちゃんと説明できるのが生命保険のプロです。
例えば、ある方が、(1回の入院限度日数120日通算限度日数730日)の医療保険に加入していたとしましょう。
下の図のようにある病気で1回入院して、その病気が再発したとき、退院から次の再発の入院まで180日を過ぎていないと、つまり180日以内であれば、なんと1回の入院になってしまうルールが医療保険にはあるのです。ですから、あまり短い入院限度日数を設定していている医療保険は考え物です。
(*下記の場合一般的ながん保険であれば全期間カバーできます)
図
これは、1回の入院になります⇒1回の入院限度日数120日では、再発時カバーできません。

必要保障額を医療保険だけでカバーしなければいけないか

入院日額10,000円の保障の医療保険に加入されるのは,結構な負担になります。
保険料を安く抑える方法として(1)1回の限度日数が違う2種類の医療保険を組み合わせる。(2)医療保険と所得補償保険を組み合わせる。
この2種類の方法をお勧めします。

  1. 1回の入院限度日数の長さで保険料が大幅に違ってくるという話をしましたが、入院で大変なのが、最初にかかる手術費用と差額ベット代ではないでしょうか?
    その費用は、入院の初期にかかってくる費用で、どうでしょう2、3ヶ月たってくると、新たに手術をする可能性は低くなりますし、そろそろ大部屋に移されてもいい期間になってきます。であれば、例えば、1回の入院限度日数120日の入院日額5,000円の保障と1回の入院限度日数360日の入院日額5,000円の保障を組み合わせると、短い入院には、1万円の保障、長い入院には5,000円保障というカバーができます。
  2. 意外と知られてないのが、損害保険会社の「所得補償保険」です。文字通り病気やケガで所得が減少したとき、その所得を補償してくれる保険です。職業の危険性により1級から3級までの保険料設定があります。一般的に1回の支払い限度日数、通算限度日数365日型が多いようです。なんと、医師等の証明があれば、自宅療養でも補償されますので,自営業の方には特にお勧めします。5歳ごとに保険料が更新(上昇)されていきますが、医療保険に比べると保険料負担は、安いのではないでしょうか?

死亡保険と一緒に加入すべきか?単独ではいるべきか?

できるだけ、それぞれ単独で入ることをお勧めします。これは、死棒保険が主契約で、入院保険が特約になっているケースが多く、死亡保険を解約したいときや、更新するときに入院保険も同時に解約になったり、多額な更新保険料払わないと入院保険を更新できない保険商品が多いためです。

生命保険会社の選び方

多くの既存の保険会社が、相互会社というわかりにくい会社形態になっていることから、
一般消費者としては、格付け機関による、格付けやソルベンシマージンを参考になさってください。保険は一生お付き合いのあるものですからしっかりした、保険会社、そして保険商品、最後にいいファイナンシャル・プランナーを選んでください。

情報提供
元郵便局の「三重暮らしの相談員」
現在日本ファイナンシャル・プランナーズ協会公認CFP(国際資格ファイナンシャル・プランナー)
三重ライフデザインセンター:石川 謙二
E-mail:mie-life-designcenter@ztv.ne.jp
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