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こころの風邪に気をつけましょう(2) |
今月は「こころの風邪」についての第二回目です。
先月は主に「ウツ状態」についてお伝えしました。
「ウツ状態」と「ウツ病」の違い、わかっていただけましたか?
今月は、誰でもかかる可能性のある病気「ウツ病」についてお伝えします。 |
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◆ウツ病の原因は?
まだまだ「コレ!」という、はっきりとはした原因はわからない状態です。
ウツ病にかかる人の脳は、ストレスに敏感で調子を崩しやすいと考えられています。
でも、現代社会はストレスの宝庫!
日本人の脳は繊細と言われていますので、
誰がウツ病にかかっても不思議ではない現状です。
ウツ病は、本人の「やる気のなさ」で起こっているものではありません。
遺伝や、性格だけで起こっているものでもないと言われています。
真面目で責任感が強く、几帳面で仕事熱心な人ほどウツ病になりやすいと言われているのは、真面目な人ほど、こころの体力が減っているのに、「元気にならなければ!」「頑張らなくては!」と、自分にプレッシャーをかけ、脳にストレスを与えているからなのでしょうか。
◆ウツって、直るの?
時間はかかりますが、適切な治療を受ければ直る病気と言われています。
ウツの時は脳がストライキを起こして、大事な物質を運ばなくなっています。
ですからまず、薬で体を正常に戻すことが必要です。
そしてもうひとつ。
脳にストライキを起こさせた原因のひとつである、ストレスを取り除くことです。
いくら体を薬で治しても、体を壊す原因をそのままにしていては、いつまでたっても病気は良くなりませんよね?
風邪を治すときと同じです。
快適な環境で、薬を飲んで無理せず休養をことが回復への早道です。
それと同じことですよね。
◆どう接したらいいの?
ウツ病の治療には時間がかかります。
決して、焦らず、あきらめず、気長に回復を待つことが必要です。
いちばん、不安で焦りを感じているのは、ウツ病になってしまった本人なのです。
周囲が本人のためを思って、つい言ってしまいがちな「励まし」や「叱咤」も本人の負担を重くしがちです。
頑張りたくても頑張れないのが、「ウツ病」。
本人が、いちばん「頑張れないこと」に苦しんでいるのです。
ウツ病の方が、のんびりと穏やかに過ごせるような関わりができるといいですね。
※ご家族の方はこの限りではありません。担当医の指示にしたがってください。
◆ウツかな?と思ったら、すぐに相談を!
一人で悩まないでください。
早期治療が回復の早道と言われています。
病院を受診し、気軽に医師に相談してください。
「ウツ状態」、または「ウツ病」と正しく診断されることが「ウツ病」の治療ではとても大切なことです。
人によっては、「ゆううつ」「何をするのもおっくう」「何も面白いとは思わない」といった精神症状が目立たず、「頭痛・肩こり」「だるい」「食欲不振」「眠れない」といった身体的症状のほうが強く出ることがあります。
このような身体症状があるにもかかわらず、病院での検査では何も異常がない場合や、治療してもなかなか治らない場合、また、気分がゆううつで元気が出なかったり、体がだるかったりしたら、普通の「内科」を受診するのではなく、ぜひ「心療内科」または「心身クリニック」などの、心と体を一緒に診てくれる病院に行かれることをお勧めします。