Z-CAN 海外ドラマでたまに出る「ハヌカ」とは?

こんにちは!翻訳家のバゼミニエクス睦子です。
12月の挨拶と言えば“Merry Christmas!”を浮かべる方が多いかもしれませんが、他民族国家の国では“Happy Holidays!”と言ったりします。キリスト教徒は「クリスマス」を、ユダヤ教徒は「ハヌカ(ハヌカー)」を祝います。ハヌカが12月下旬に8日間にわたって行われ、クリスマスと同時期なことから、この時期には宗教を問わない挨拶が浸透しています。(ハヌカとクリスマスに直接的な関係はありません)
今回は欧米のドラマでもよく出るハヌカについて、紹介したいと思います。

ハヌカの起源
紀元前2世紀、イスラエルの地はシリアのギリシア人に支配されていました。ギリシア人はヘレニズム文明を広める占領政策をしていて、ユダヤ教の聖所であるエルサレム神殿をけがし、ユダヤ教のおきてを禁じました。
ユダヤ教徒はこのような弾圧に戦いを挑んだところ、強力なギリシア軍に勝利しました。そして紀元前165年、エルサレム神殿を解放しました。
ギリシア軍はエルサレム神殿を占領していた時、神殿の儀式に用いる燭台を灯すための聖油をすべて汚しました。しかしユダヤ人が神殿を取り戻した時、1つだけ汚されていない油壺を見つけました。その聖油は1日分の量しかありませんでしたが、灯してみると8日間にもわたって燃え続けたとのことです。この奇跡を記念して、ハヌカのお祝いが始まりました。「ハヌカ」にはヘブライ語で「奉納」の意味があります。
祝い方
ハヌカのお祝いには「ハヌキア」という燭台が欠かせません。
このハヌキア、中心が種火用のろうそくを立てる部分となっていて、左右に4本ずつ、計9本のろうそくを立てる部分があります。この燭台に、初日は他のろうそくに火をともす種火と1本目に火を点します。2日目からは1日に1本ずつ火を点していきます。そして、8日目には全部のろうそくに火が灯ります。ハヌカは別名「光の祭り」とも呼ばれます。
子ども達は4面に文字がある「ドレイドル(ドライデル)」と呼ばれるコマで遊びます。
ハヌカをお祝いする挨拶は“Happy Hanukah/ Hanukkah/Chanukkah!”。アメリカのデパートなどでも、このメッセージが踊っていたりいます。
ハヌカに食べる物
ハヌカでは神殿に灯す聖油の奇跡から、油を使った料理を食べるのが習慣です。
代表的なのは「スフガニヤ」と呼ばれるドーナツのような形の揚げパンで、中にジャムやチョコやクリームなどが入っています。

この他にも「レヴィヴァ」と呼ばれるハッシュポテトのような食べ物も定番です。千切りにしたジャガイモと玉ねぎをフライパンで焼いて、アップルソースやサワークリームをつけて食べます。
どちらも美味しそうですが、カロリーも気になりますね…。

クリスマスツリーもサンタもクリスマスキャロルもない「ハヌカ」。
ドラマ『フレンズ』でも、ロスが子どもに「クリスマスがいい」と言われながらもハヌカの伝統を教えようと奮闘するシーンがありました。
最近ハヌカでは8日間毎日子どもにプレゼントをあげる習慣も広まってきているようですが、これはキリスト教の影響で、伝統ではないようです。
子どもにとっては、華やかな印象のクリスマスにどうも心惹かれてしまうのですね。

以上、「ハヌカ」についてのお話でした。

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